混合ダウン

間違っていると思いませんか? 小規模メーカーの中に、ダウンの特性が何らかの形で向上すると称して、ダウンにポリエステルや植物繊維、羊毛を混合しているところがあります。1+1で3になる、というわけです。

羽毛業界は、ダウンが本来持つすばらしい特性をさらに向上させる方法を、常に追求しています。カナダ羽毛協会は、そうした改良法の発見は歓迎しますが、これまでに提唱されてきた手法はいずれも根拠のないものばかりでした。数例をご紹介します。

  1. (特定の繊維を)加えることで、ダウンのアレルギー性が低減する

    現代の洗浄処理を施したダウンはそれ自体のアレルギー性が極めて低く、他の繊維を加えることでさらに改善されるという証拠はありません。添加する植物繊維が、ダウンよりもアレルギー性が低いという証拠も見られません。

  2. (異物を)加えることで、ダウンのかさ高性と保温性がアップ

    ダウンに混ぜ合わせることで魔法のようにかさ高が増すというものは存在しません。ダウンのかさ高性能は他のいかなる素材よりも優れており、何かを混入することで、性能がさらに高まることはありません。かさ高性がない、もしくはダウンよりも劣る材料を加えてダウンがさらに良くなることは論理的にあり得ないのです。保温性についても同じです。ダウンよりも保温性に劣る素材を加えても、ダウンの特長である保温性が改善されることなどありません。

  3. (ダウンと植物繊維を混合すると)体から出る水分をより素早く吸収・発散する

    類稀な通気性と優れた吸湿発散性で知られるダウン。他の繊維を混合することで、性能が向上したという証拠は見られていません。

それを実証する好例が寝袋メーカーです。研究開発の最先端にあり、羽毛業界をリードする寝袋メーカー各社は、製品改良の努力を絶え間なく続けていますが、ダウンシュラフに他素材を混ぜ込むことは決してありません。エベレストに登ろうというときに、品質に妥協は許されないからです。

異物を混合する唯一の理由は、コスト削減です。

こうした製品がダウン製品と同等以上に優れるという主張には根拠がありません。この点を立証するとされる科学研究は複数あります。

カナダ羽毛協会はネブラスカ大学とカンザス州立大学による研究論文を入手しています。同論文はTextile Research Journal Vol 61 No.4, April 1991に掲載されました。下記は同論文の結論から引用したものです。

「ダウンジャケットや羽毛布団メーカーがトウワタ(唐綿)をダウンに混合するのは、ダウンの性能特性の向上のためではなく、コスト的理由によるところが大きいと見られる。現在のトウワタ価格はグースダウンの約半分であり、生産量の増加に伴いトウワタ綿毛価格も一層低下すると考えられる。そうなればコスト削減を目指すダウンメーカーにとって、トウワタは魅力的な素材となるだろう」